「ツボ」を突く。

色々な「ツボ」を突いてみる。

目に見えるだけが全てじゃない

「目に見えるだけが全てじゃない」

 

 …映画「ベストキッド」旧版(ラルフ・マッチオ,ノリユキ・P・モリタ他)の一場面だ。

 

 沖縄出身の老空手家が、主人公の少年に、世の中(もこの宇宙も)は複雑に絡み合ってできていて、決して表面的な捉え方だけでは正しく理解できない、と諭すシンプルな言葉だ。

 

 こんな考え方は、日本及び東洋の思想的・宗教的な事象の捉え方によく見られる。 …そうそう、スターウォーズの「ヨーダ」も、どの作品だったかで同じようなことを言っていた。 あらゆるものに「魂(たましい)」や「神」が宿る、というのが代表的なものだろう。

 

 そして、東洋の知恵は自らの体の中にまで「目に見えない」ラインとポイントを見出した。 これが「経絡」と「経穴」(ツボ)である。 ツボというものは、伝統的中医学で主に体の内蔵を「六臓と六腑」に分けて、それぞれに作用する「回路」と「スイッチボタン」に当たるもの、と言っていいだろう。 例えば、膝小僧の外下に「足三里」というツボがあるが、これは「胃」のラインのものである。 足に胃である。 そこには「神経」のようなハッキリした線があるわけではない。 しかし、胃に違和感や痛みがあると、ここのラインの筋肉も固くなっていたり、押すと痛かったりする。 今ではかの「WHO」もその効能をハッキリ認めている。 「見えていない」ところに「大事なものを見立てる」。 先達の偉大な経験的感覚的「知恵」だ。

 

 「行間を読む」というのも同じ仕組みの言葉だ。 今、ここが見えなくなっている人たちが増えていて、安易に「非難」や「攻撃」に出てしまう人が多くなっているような気がする。 ン~、もし「心」の経絡やツボを発見できたら「ノーベル賞」ものだな。

 

 今回はこれにて合掌。