「ツボ」を突く。

色々な「ツボ」を突いてみる。

人間技は全て機械技術に置き換えられるのか?

 今から十数年後には、現在存在する人間の仕事の大半が機械やロボットに置き換えられるという。

 

 どんどんSF映画が実現されているのだが、どこまで人が行ってきた作業を機械に変換することが可能なのか。 某日本国営放送の一テレビ番組が、文字通り「凄い技」に焦点を当て、人間の技術や機械の限界を探っている。 日本の職人技術や技術系企業界の活性化の一面も担っているこの番組、千原ジュニアの司会で、業界の扱う品そのままに「固く」「重く」なりがちな内容を気軽に見ることができる。

 

 先日などは、「けん玉」の達人技を生身の人間と工業用ロボットアームに達成回数で競わせていて、圧倒的に人間が勝利した一方、機械も数回成功している。 あれほど「絶妙」「微妙」必要とする、しかも「遊び」をロボットにやられるとは。

 

 実は、今回のモチーフ…

 

 ミリ以下の精密機械レベルで「真っ平らな鉄板面」を造る作業は、いまだに機械ではできず、職人の「超アナログ」かつ「超絶感覚」で江戸時代の大工のような作業スタイルに頼っている。

 これを「キサゲ」加工と言うそうだ。キサゲは削る素材などによっては1m前後ある長い「鑿(のみ)」を使って、ミクロン単位で凹凸を均(なら)していくらしい。柄の尻を腹に当てて体重も利用して削っていくのだが、熟練した職人なら削った表面の「色」や削る際に手や腹に伝わってくる「振動」で、削れ具合がわかるという。

 この調整具合がどうしても機械で再現できない、というのだ。

 

 実は人間の強みはこんなところにあって、感覚や能力・パワーの一つ一つは、動物にも機械にも劣ってしまうが、いくつかの感覚や能力をいくつか組み合わせて「新たな能力」を創り出すことが最大の「武器」になっていると思う。

 

 …みたいなことを書こうと思ったが、最初の「けん玉」の件を思い出して、すんなり書けなくなった。

 

 こうなりゃ、「フォース」の使い手になるしかないのか。

 

 合掌。