「ツボ」を突く。

色々な「ツボ」を突いてみる。

老後の「生活設計」を考える、という事


 これは、ユースホステルが主催している「レクリエーション・インストラクター」講習を大分前に受けた時の事だ。

 

 文字通り、イベントやキャンプなどでのレクリエーションを「指導」する立場になるための民間資格講習ということである。

 

 何でもそうだが、指導する人は「その当該事」の「周辺」から熟知していなくては何も語ることができない。

 

 ということで、レクリエーションとそれにまつわることを多角から考えていくのだが、全く思いもよらなかったことを沢山突き付けられ脳をひっくり返されたようで、痛快だったのを覚えている。

 

 その中で、「定年退職してからの生活をシミュレーションしてみる」という回の講義があって、これがやってみると、まああああ、のっけからつまづくつまづく。

 

 というのは、設定では60歳から始めて…ということなのだが、大概の人は「退職後から」何をするか考えてしまうのである。

 

 この時点でまず「ブッブー!!」。

 

 そう、より長く確実に定年後を楽しむには、「走り幅跳び」のように的確な「助走」が必ず必要だということなのである。つまり、定年前からの入念な「準備」「下調べ」である。

 

 例えば、「田舎生活」や「海外移住」をしたいと考えたとする。

 

 そこで、退職後から「まず、何処に行こうかな?」では、身の丈に応じた場所を探すのに下手をすれば数年掛かってしまう訳である。っで、「あそこに行きたい」と思っても、現地が受け入れに当たっての条件を出していることがあり、例えば、現地の「就職事情を荒らさない」ために、「雇用」はOKだが「たとえバイトでも就職はダメ」だとかあったりする。

 

 更に、申請・身元照会・人物審査・保証人設定なんかがあって、日本の人・モノ含めた「身の周りの整理」(これも気を使って大変だとのこと。)人によっては、準備途中で病気が出てきたり老化で体力が落ちたりして、「場所の再設定」が必要になることも。

 

 定年から準備を始めて、「上手くいったな」で2~5年、途中で多少修正で5~7、8年、結局10年近く要して「諦める」なんてこともあるようで。諦めたら諦めたで、また今の場所での生活を考えなければならない。…人生およそ80年ですから、余生の半分「空白空費」…エライことである。

 

 ただ、もう一つ頭に置いていただきたいことは、この講習は1999年前後の事で、今のようにしばしば「将来は年金自体まともに受けられないかも…」という懸念が出ることも考えると、もう良く解らなくなってくる。

 


今回はこの辺で。 合掌。