「ツボ」を突く。

色々な「ツボ」を突いてみる。

神様の「さじ加減」を知りたい……麻原彰晃と臨床心理士になった三女の違い

スポーツ、特に対戦競技の戦術などでよく使われる「波状攻撃」という言葉がある。

 

ポイントや得点するまで、あるいは主導の流れを断ち切られるまで、寄せては返す

「波」のように何度も攻撃することを言うのだが、1995年はこんな感じだったと思う。

 

阪神・淡路大震災 地下鉄サリン事件オウム真理教による一連の凶悪事件 全日空

イジャック 超円高、1ドル=79.75円を記録 高速増殖炉もんじゅ」事故 アメリ

中南部オクラホマシティで爆破テロ事件 Windows 95発売 イスラエルのラビン首相

が暗殺される etc。

 

 

かの破壊的な大震災の後、日本の中枢で毒ガステロ。当時京都の大学生だった自分は、

大学のロビーにある大型画面のテレビの前に集まった他の学生同様呆然と見ていた。大

学の近くにも教団が経営するラーメン屋やパソコンショップがあって、大事件発生まで

「噂」を知らなかった学生はよく利用していた者もいたらしく、青ざめていたのを覚え

ている。

 

 

まあ、その後の成り行き・概要は説明も必要ないほどだと思う。

 

そして過日、麻原彰晃と幹部たちの死刑が執行された。

 

またそれと前後して、当時幼少だった三女が現在心理カウンセラーとなって活動中で顔

を出して登場し、教団解体後どのように過ごしたか、教祖父との関係、何故心理カウン

セラーとなったのか、などが再現ドラマやインタビュー映像でテレビ放映された。

 

 

三女は身元がバレては追い出されるように移動を繰り返す半生だったが、中には「『あ

なた』は『あなた』。単純に父親と同一視されるべきではない。」と迎え入れてくれる

人々がいることに気づき、自分のような境遇の人や心病む人たちの手助けを自分の仕事

や使命として生きていきたい、と語っていた。

 

 

見終わって思ったのは、「犯罪の首謀者の子供が成長の過程でこのような境地になっ

て、過去から逃げずに自分なりにできるアプローチをしている、というのはある種この

事件の流れに対する「(理想的)せめてもの救い」じゃないのか? 」ということだっ

た。

 

 

もし仮に賠償だけで済むとして、麻原彰晃の妻子供全てが協力したとしても、すべてを

贖(あがな)うには百年でも済まないだろう。事が大き過ぎて、結局首謀者本人の「命」

でしか贖うことができない、と日本の法が判断し民の大半も同意したような形だった。

まあ、未来への「警鐘」としてもう少し話をさせるべき、という人もいたが。

 

 

大概、加害者家族は離散して生死も分からず、隠れるようにして生き、あるいは疎外に

耐えられず自らもまた犯罪者になったり、自らの命を絶ったり、という所だろう。

 

 

そんな中、何の因果か皮肉か「教祖の後継者」と呼ばれた三女が、父が憎んだ「世間」

に救われ、それを機に自ら身の丈でできる使命に従事しているのは、かなりリアルを感

じられて良いと思う。これがもし、「麻原の娘として、生涯罪滅ぼしに努めます。」と

世間に向いて発していたら、これこそ「やっぱり『ウソツキ』の後継者だ。」などと言

われているだろう。

 

 

一体、どんな「筋書」でこんなことになるのか?

 

 

是非とも神様の「さじ加減」を知りたい。

 

 

 

 

合掌。